賃貸物件のオーナーさまは、どうしても短期的な視点で、「とにかく早く入居してほしい」と思いがちです。しかしリノベーションを行うことでもたらされるのは、「すぐに入居者が入る/入らない」という目先のメリットだけではありません。「3.利回りモデルケース」の項でも書いたとおり、物件がきれいに保たれるということは、家賃を下げる必要が減り入居者の質の向上にもつながります。そうすることで、共用部などを含めて、建物の老朽化を遅らせることができ、次の修繕にかかる費用も少なくなっていきます。さらに、家賃滞納などのトラブルが減り、管理にかかる労力も大きく軽減されることになります。
私たちがリノベーション事業を行いながら常に考えること。
それはつまり、"賃貸マンションにかかわる人たちの心情"に他なりません。
賃貸オーナーさまは、「空室が埋まらない」「賃料が下がっている」などという現実的な悩みを抱えています。
それと同時に「入居者の新しい場所での新しい生活を快適なものにするために万全のサポートしたい」という
熱く、あたたかい想いも抱いています。
逆に入居者や入居希望者はどうでしょう。
彼、彼女たちは新たな場所での新たな生活に、少なからず夢や希望を抱いています。
「友達をたくさん呼ぼう!」「広いキッチンで料理を楽しみたい!」「職場が近いから便利!」
「おしゃれな部屋で、恋人と素敵な時間を!」「両親が来るときのために、安全・安心な部屋を!」・・・。
これらはすべて、夢、そして希望と言えるかと思います。
しかし、その夢や希望は叶わないことが多々あります。快適さ、おしゃれさ、利便性、家賃・・・。
むしろ、そういったすべてが叶うことの方がめずらしいというのが実情でしょう。
不動産不況の現在、オーナーさまも入居者もさまざまな業者も、いろんなことを少しずつあきらめています。
そして、わたしたちは思うのです。
それら、賃貸マンションにかかわるさまざまな人たちの心情や夢を有機的に結びつけ、カタチにするもの・・・
それこそが、賃貸リノベーションであり、わたしたちが与えられた役割ではないかと。