3 | 利回りモデルケース ~本当にメリットがあるの?~

賃貸リノベーションかかる費用は本当に千差万別。たった10万円で大きな効果があるものもあれば、数100万円かかる場合もあります。100%成功する方法論はありませんが、償却の計画を入念に立てて望むことが大事です。ここでは、長期的な資産運用のモデルケースをグラフにしました。さらにリノベーションを行えば、入居率アップにつながるメリットもありますので、それをご紹介します。

当然のことをするだけです

賃貸物件をリノベーションするということは何も特別なことではありません。自分の持つ建物を愛し、可愛がり、大事にする、という当たり前のことなのです。物件は生き物であり、放っておくと髪も伸びて、ヒゲもボウボウになります。リノベーションとはそれを整えるだけのことなのです。一定の年数ごとに手入れすれば、住戸は常にきれいに保たれ、寿命も伸びます。とはいえ、ある程度のお金が必要なことも事実。ここではリノベーションを行った後、どういったメリットがあるのかを長期的なスパンで見ていきます。あなたの持つその物件は、今後も長く長く付き合っていく大切な資産です。我が子の成長のためにお金を積み立てるのと同じく、10年~20年のレベルで運用方法を考え、施策を図っていくことが重要です。さらに詳しく図解で説明します。

より計画的な資産運用を ~2つのモデル~

資産運用のモデルケースを5年プランと15年プランで見てみます。

1.短期プラン(5年ケース) | [リノベーションを行わなかった場合] 条件1:6ヶ月間入居がなく、家賃10万を8万に下げ、入居者が入った。 条件2:入居前の修繕費は20万円、(退去後の修繕費は25万円。) 条件3:最初の6ヶ月間に加えてさらに6ヶ月間入居がなかった。(現在、一般的といわれるに「入居率80%」を想定)【[収入:8万×4年分(48ヶ月)=480万]-[支出:20万円(入居前の修繕費)+25万円(退去後の修繕費)=45万円]=339万円】 | [リノベーションを行った場合] 条件1:家賃10万円の物件を1.5年分にあたる費用(180万円※修繕費含む)でリノベーションを行う。 条件2:退去後の修繕費は15万円。 【[収入:10万×5年分(60ヶ月)=600万円]-[支出:180万円(リノベーション費)+15万円(退去後の修繕費)=195万円]=405万円】 → 5年で逆転している(66万増収) - 拡大する

上の図はあくまでモデルケースですので、税金などに関わる計算を省き、また入居率や家賃設定などはこちらで任意に設定したもので、すべてにおいてこのようにうまく計算ができるとは言えません。しかし、物件が古くイメージが悪ければ、入居率は当然さがりますし、我々のこれまでの経験から言って、現実味のない数字ではないことも事実です。間違いなく言えることは、何もしなければ物件はどんどん朽ちていき、上のグラフのように「家賃を下げる」という選択も検討せざるを得なくなり、そのまま老朽化が進めば、常に家賃の引き下げを考えていかなかればならないということです。

2.長期プラン(15年ケース) | [リノベーションを行わなかった場合] 条件1:第1期目の修繕費は20万円、第2期目は25万円、第3期目は40万円とする。 条件2:第1期目は最初の6ヶ月間入居者がなく、家賃を8万円に下げ、入居者が入った。 条件3:第2期目は最初の6ヶ月間入居者がなく、家賃を7.5万円に下げ、入居者が入った。 条件4:第3期目は最初の6ヶ月間入居者がなく、家賃を7万円に下げ、入居者が入った。 条件5:3つの期間すべて、最初の6ヶ月に加えて、さらに6ヶ月入居がなかった(入居率80%を想定)【[収入:384万円(第1期)+360万(第2期)+336万(第3期)=1,080万円]-[支出:20万円(第1期)+25万円(第2期)+40万円(第3期)=85万円]=995万円】 | [リノベーションを行った場合] 条件1:家賃10万円の物件を1.5年分にあたる費用(180万円※修繕費を含む)でリノベーションを行う。 条件2:最初のリノベーション費用は180万円、第2期目の修繕費は15万円、第3期目の修繕費は20万円とする。 条件3:第3期は6ヶ月入居がなく家賃を8万円に下げ、入居者が入った。 条件4:第1期、第2期は5年間入居、第3期が4.5年間入居とする。 【[収入:600万円(第1期)+600万円(第2期)+432万円(第3期)=1,632万円]-[支出:180万円(第1期)+15万円(第2期)+20万円(第3期)=215万円]=1,417万円】 → 15年で大きな差になっています - 拡大する

さらに年数を増やしてみました。こちらもあくまでモデルとなりますが、15年間で家賃が3万円下がるということは当然ながらあり得ることですし、何より一度リノベーションを行っていれば、築年数と比較してきれいな状態を保てていることは言うまでもなく、物件イメージも上がるでしょう。

もれなく付いてくる「オマケ」

また、リノベーションがもたらす効果は上にあるように数字だけで計れるものではありません。
「家賃を下げずにすむ」ということは、「入居者の質が下がらない」ということにつながります。入居者の質が上がるということは、家賃滞納者やトラブルが減り、共用部もきれいに保てるため入居率アップにつながります。
逆に入居率アップのために、賃料を下げざるを得ないとなると、必然的に入居者の質が下がり、管理が大変になるだけではなく、物件の老朽化もどんどん進んでしまいます。この点でも自身の資産を大切にし建物や物件の寿命を延ばすための一つの方法がリノベーションである、と言えるのではないでしょうか。

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